· 

横隔膜の話

前回のインナーマッスル(深層体幹)の部位は「骨盤底筋」についてでした。今回は「横隔膜」をリサーチしたいとおもいます。

 

さて、呼吸法で「胸式呼吸」「腹式呼吸」はよく耳にする事がおおいかと思います。では「横隔膜呼吸」というのは聞いたことはあるでしょうか?

では、今回のお題の「横隔膜」と「横隔膜呼吸」の話です。

 

○呼吸の種類

●「胸式呼吸」

日中何気なく行っている浅くて早い呼吸が、胸式呼吸。息を吸ったときに肋骨の間にある呼吸筋=外肋間筋が動いて肋骨を押し上げ、胸郭を広げるので、胸がふくらみます。交感神経が優位になり、適度な緊張感で体が活性化したり、リフレッシュできたりします。

「腹式呼吸」

食事や就寝時など、心身共にリラックスした状態では、肺の下にある呼吸筋=横隔膜が上下に動いておなかがふくらむ腹式呼吸に切り替わります。副交感神経が優位になるので、筋肉の緊張が解けて、気持ちも安定。ストレスを軽減する効果があります。

「横隔膜呼吸」

ゆっくり息をはきながら腹部をへこませると横隔膜がせり上がって肺を押し上げ、空気が出ていきます。そのうえで、息を深く吸いながらおなかをふくらませるようにすると横隔膜が下降して胸腔が広がり、肺にたくさんの空気が入ります。いわば、腹式呼吸から一歩踏み込んで、そうした作用を感じつつ行うのが「横隔膜呼吸」です。

 

◯そもそも横隔膜とは?

胸とお腹を区切る、ドーム状に張り巡らされた膜状の筋肉

 

◯横隔膜を動かすと…

横隔膜を下に下げると→肝臓、胃、膵臓、腸、腎臓などの臓器を揉みほぐすことになる。

横隔膜を上げると→心臓、肺をマッサージすることになります。

 

◯効果

1.腹式呼吸で服圧を強めたり弱めたりする事で「横隔膜」が上下運動すると内臓が動き内臓運動の働きにより腸内環境が整う

ダイエット効果があり、血液循環も良くなる為、免疫力もupする。

2.横隔膜が上下に動くことでお腹に圧が高まり、体幹が安定。

 

○呼吸の意識

呼吸は、無意識に行われる「代謝呼吸」、意識的に行う「随意呼吸」、心の変化に伴って変わる「情動呼吸」に分けられる。

無意識に行う「代謝呼吸」では胸式呼吸が基本となります。その場合は横隔膜がほとんど動きません。

その為に横隔膜をしっかり動かすには、意識的に動かす「随意呼吸」で腹式呼吸から訓練する事が必要です。

 

◯呼吸基本姿勢

 

口形→ リラックスした姿勢で口を横に広げた状態。

 

呼吸→鼻から息を吸って、お腹を360°膨らむようにします。吐くときは肋骨をしぼめるようにゆっくり吐き、吐き切る事を意識する。

 

骨格→まき肩や、猫背、反り腰などの姿勢が悪い状態であると、腰椎部、胸郭が緊張している場合は深い呼吸ができなくなる。

その場合は仰向けの状態で足を山形の状態にし仙骨、腰椎部に緊張がない状態で呼吸法を行うか、

軽いあぐらの姿勢で腰の力を抜いた状態で座り呼吸法を行う。また顎が緊張しないように、顎関節の力をぬく。

 

さていかがでしたでしょうか?

バレエをされてきた方は、バレエの呼吸法は「胸式呼吸」と耳にされている方は多いと思います。

実は近年では「胸式呼吸」に近い「横隔膜呼吸」が提唱されています。

この呼吸は胸郭の広がりを行いつつ横隔膜を上下運動させながら行う呼吸です。

 

「横隔膜呼吸」は腹式呼吸から1歩踏み込んだ呼吸となるため

まずは、腹式呼吸で横隔膜を上下に動かす事をチャレンジしてみて下さい。

それでは!