· 

軸をとる基本②

今回は軸をとる話②、胸部編です。

 

胸郭は人間の胸部にあり、12個の背骨の骨、胸椎。胸椎から派生した12対の骨の肋骨、一個の胸骨で構成され、心臓、肺など重要な臓器を鳥籠のように囲んでいます。

 

さて最近、レッスン内でも度々口にしている胸郭の意識について。

この胸郭の役割は下半身で言うと骨盤の役割です。上半身の土台で上手くコントロールする事で上半身の使い方が安定します。

 

それではどういうアプローチで上半身の軸を安定させていくのか?

 

まずは、上半身の確認から・・・。

対の鎖骨の間にある胸骨の上部辺り(胸骨柄)を軽く天井に向かって上に持ち上げてみます。

すると、胸椎がカーブを描き軽く反り、肋骨の下が斜め上、両脇に拡がりを感じませんか?

 

この鎖骨の中央から上に向ける意識が土台を安定させるコントロールの指針になります。

ただ、この上に向ける意識だけで動くと、上体はガチガチな動きしかできません。

踊りにおいて、上体の動きは表現をする為に表現をしやすい部位です。ガチガチな動きは無呼吸運動を連続で行なっているのと同じになるので、見ている側も動いている側もそれだけだと苦しくなっていきますね。

 

そこで重要になっていくのが「呼吸」。

 

呼吸にあわせるという事がポイントの2つ目になっていきます。

鼻から息を吸い、息を吸う時に胸骨柄を意識してみましょう。

先程の胸部の動きが自然と動き、上体の動きも息苦しさがなくなり、滑らかさがでるようになります。

この「呼吸」での動きが上手くできない人は、浅い呼吸を普段からしている事が考えられます。

 

そのポイントは肋骨下角の角度です。

この肋骨下角の角度は通常70度〜90度とされていて、肋骨下角が90度以上にひらいている場合、胸郭自体を前に突き出すような形になり、(腰部も反り腰になリます。)呼吸が浅くなっていると考えられると同時に、前のめりの重心位置になっている事が多くみられます。その上体でアームをアラセゴンドポジションにおいても、安定しない理由は、呼吸が浅く肋骨下角が開きすぎているからです。

 

その場合の改善ポイントは胸骨の剣状突起がポイントです。剣状突起を恥骨、もしくは床に向ける意識を持つ事で、胸骨柄との上下の引っ張っりが生まれ、肋骨下角の開きを必要以上の開く事をふせげ、呼吸を深くする事ができるのです。

 

また、胸部や肩、僧帽筋、脇周りが硬く固まっている状態も胸郭のスムースな動きの妨げを考えられるので、胸部まわりの手で骨と筋肉を引き離すようにマッサージして筋肉リリースをするのもおすすめです。

 

因みに、以前ブログに書いた「横隔膜呼吸」を覚えているでしょうか?

この胸郭の動きを意識しながら腹圧を上げ横隔膜呼吸をすると、横隔膜が肋骨の中に腹圧で押し上げられ上体が動きに対し安定しやすくなります。色々な諸先生方が言われる「お腹を引き上げる」というのはこの事を指します。

 

また、バレエが胸式呼吸と言われるのはこの呼吸をする為に胸郭を上に動かして呼吸をするからそう言われているのかもしれません。

 

胸骨柄〜剣状突起を垂直に立てると、自然と肋骨が広がり、呼吸を深く行え上体の軸が安定していくための土台が出来上がります、

スタンドポジションやポール°ブラ、バーレッスンで注意しておくと良いポイントです。

 

 

 

 

コメントをお書きください

コメント: 2
  • #1

    ck (月曜日, 23 1月 2023 13:20)

    お腹を引き上げていこうとすると息が浅くなる、息ができなくなる、の理由が分かった気がします!
    分かったからとてすぐにはできなさそうではありますが、一歩前進です!
    あと、肋骨が上半身で骨盤と同じ役割を果たす、という発想が全くなかったので、目からうろこでした。肋骨はただのっかってるだけの存在、動かすのは肩甲骨だけ、みたいなイメージでしたので。
    先生が書いてくださったみたいな動きと呼吸をレッスンでやってみたいと思います!!

  • #2

    川副由香 (月曜日, 23 1月 2023 22:57)

    神先生

    お忙しい中、ブログの更新ありがとうございます。

    今回の軸をとる胸部編では、上半身の軸を安定させる為には胸部への意識も重要というコトがよく理解できました。

    今まで下半身(骨盤)と上半身(胸部)との軸バランスでチグハグな感覚があったのですが、今回のブログによって身体の軸バランスに繋がりを感じるコトができました!

    そして、2つ目のポイントとなる「呼吸」についても、とても良く理解できました!

    胸部・呼吸を意識して安定した軸の土台作り!ができるようにレッスンしていきます。